はじめに

武術の起源は悠久…

 中国武術の起源は数千年前にさかのぼりますが、14世紀から20世 紀初めにかけて特に目覚しく発達して、打つ・蹴る・投げる・つか む・刺す等の技法を組み合わせた数多くの武術の流派、種類が生ま れました。現在行われている武術は200~300種類あると言われ、力 強く速い動作を主体にしたものから柔らかく巧妙な技を使うものま で多岐にわたります。


国民スポーツとして普及発展…

 格闘技としての武術は、社会状況の変化につれて、しだいに健身・ 体育種目として心身の鍛錬と修養を目的とするようになりました。 合理的でかつ、高度な技術体系を有する運動であり、これを行うこ とに芸術表現の喜びを得ることもできるため、近年、日本・アジア 諸国や欧米各国でも広範な社会層の愛好者人口を、得るに至ってい ます。  日本では、太極拳技能検定制度が1995年から全国に導入、実施さ れ愛好者に目標を与え向上心を促すものとして歓迎され、太極拳の 普及振興を進めるうえで大きな役割を果たしています。太極拳に加 えて、長拳技能検定制度も2001年度から開始となりました。  太極拳活動を通じた「健康づくりの輪」が広がる一方で長拳技能 検定の実施により少年・児童はじめ若年層へのカンフー体操、長拳 の普及促進に弾みがつき、武術太極拳はより幅広い年齢層の人々が 体力と興味に応じて親しむことのできる国民スポーツとしてさらに 大きく成長するものと期待されています。  日本武術太極拳連盟は1987年4月に発足し、1998年12月に文部省 (現在の文部科学省)より社団法人の認可を受けました。現在47都道 府県すべてに都道府県連盟が発足し、うち35道府県連盟が道府県体 育協会にそれぞれ加盟しています。